一見更年期障害と見過ごしがちな症状も、他の病気が原因で引き起こされている可能性があります。年を重ねると、身体機能が低下しますので、その可能性は決して否定できません。ここでは、更年期障害を診断する方法について解説します。
更年期障害を診断する
閉経後特有の、いわゆる更年期障害と呼ばれる症状には、ほてり、のぼせ、耳鳴り、めまい、頭痛、動悸、息切れ、イライラ、不安感、無気力、抑うつ、肩こり、腰痛、関節痛、疲労感、皮膚トラブル(湿疹、痒みを含む)、性交痛、頻尿、尿失禁、膀胱炎等があります。いずれも閉経に伴う女性ホルモンの一種であるエストロゲンの著しい減少と連動して引き起こされる症状の一部になります。
とはいえ、「閉経に伴う症状=更年期障害」という安易な発想は禁物です。というのも、恐ろしい病気が潜んでいる可能性があるからです。婦人科やウィメンズクリニックでは、生理の状況や病気の既往歴、家族が罹ったことのある病気、生活環境等に関する問診や、さらなる検査(採血、子宮がん検査、超音波検査等)を通じて診断がなされます。
更年期障害と間違えやすい病気に、子宮がん、甲状腺疾患、糖尿病、うつ病、関節リウマチがあります。関節リウマチは男性よりも女性の方に多く、50代の方も発症する病気です。婦人科でのエストロゲン補充療法でも症状が良くならない場合には、関節リウマチを疑い、リウマチ科や膠原病科を検討するとよいでしょう。