女性が閉経を迎えると、様々な身体的・精神的症状に苛まされるようになります。こうした症状は、閉経後の女性ホルモンの急激な減少が原因で引き起こされます。女性ホルモンが分泌されない状態が続くと、自律神経の働きに悪影響が及び、自律神経が司る呼吸や心拍、内臓の機能が低下します。閉経後に全身症状が現れやすいのはこのためです。ここでは、閉経後特有の症状について解説します。
骨粗鬆症
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝を促すと同時に、骨を破壊する破骨細胞の働きを弱めるという重要な役目を担っています。閉経と同時にエストロゲンの分泌が著しく減少すると、破骨細胞の働きが活発になり、骨の破壊が進み、骨量が減少します。それゆえ、骨粗鬆症は男性よりも女性に明らかに多い病気となっています。
尿漏れ
閉経後に卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少すると、筋肉組織の弾力が失われます。骨盤や尿道周辺の筋肉組織にも影響が及び、尿漏れを起こしやすくなります。医学的には「副圧性尿失禁」に分類される病気であり、咳やくしゃみをした時に漏れたり、あるいは尿意がないのに漏れたりすることもあります。
関節痛
関節はエストロゲンにより守られています。閉経後にエストロゲンの分泌が減少すると、関節組織にも影響が及び、こわばりや手が握りにくいといった症状が現れます。関節リウマチは閉経後の女性に多く見られる症状となっています。